夫や妻が、離婚する前に子供を連れ去って、どこにいるのか？探してほしいという、ご相談が増えてきております。
日本では、離婚後は共同親権を持つことは認められません。
離婚するときは、夫婦のどちらかが親権者に定められます。
夫婦がともに、子供の親権者になりたいという強い気持ちを持ち、どちらを親権者にするかまだ定まってないときは、
どうしても子供の親権が欲しいあまり、勝手に子供を連れ去ってしまって大きなトラブルになります。
子供の連れ去りは違法になるのか、親権への影響、子供を連れ去られたときの対処の方法などを詳しく解説しますね。
子供の連れ去りは場合によっては、違法とみなされるケースもあります。
そもそも子供の連れ去りとは、夫婦の一方が、相手の合意なく一方的に子供を連れて勝手に別居してしまうことです。
裁判所は監護の継続性を重視する傾向があることから、連れ去り別居後の生活が長ければ長いほど、
連れ去った側が親権者として認められやすくなっていました。
そのため、以前は、連れ去り別居であれ、子供の養育状況に問題がなければ、
連れ去られた側は泣き寝入りせざるを得ないケースも多く発生していました。
しかし、近年では家庭裁判所も連れ去りの態様や原因の確認を以前よりもしっかりと行うようになってきました。
違法な連れ去り別居だと認定されれば、親権者としてふさわしくないと判断される要素となります。
子の連れ去りが違法とみなされるケース
子供の連れ去りが違法であると認定される可能性がある具体的なケースは下記のとおりです。
- 子供の親権について、激しい争いになっている最中に、子供を連れ出した
- 子供が抵抗しているのに強引に連れて出て行った
- 保育園や小学校の通学途中（帰宅途中）に子供を待ち伏せして、強引に連れ去った
- 面会交流後にそのまま元の家に帰さなくなった
- 家に突然来て、相手の同意も得ずに子供を連れ去った
などといった状況です。
正当な理由さえあれば違法とはみなされない
一方で子供を連れ去っても正当な理由があるとみなされ、違法とならないケースもあります。
- 子供が虐待されている
- 連れ去り親自身がDVの被害を受けていて、子供への影響が懸念される
- 子供の身体に生命の危険がある可能性があった
- 夫婦の間で合意があった
などといった状況です。
子供の連れ去り別居は親権獲得に影響するのか？
子供の連れ去った状況によって、違法だと認定されれば、親権獲得に不利になる事もあります。
親権争いは、「連れ去ったほうが勝ち」といわれることもありますが、
子供の連れ去りは子供の生活環境を突然変えてしまうため、
子供にとって不利益になることも大きいです。
そのため、連れ去りの態様や夫婦の話し合いの状況などを総合的にみて違法性が認められれば、
親権獲得に不利な状況になる可能性もあるのです。
参考
